かつての首都クラクフのヴァヴェル城

ポーランドといえばやはりナチスドイツによる侵略など、第二次世界大戦のイメージが強いのですが,中世には非常に栄えた国でした。しかし、ナチス軍によって多くの都市が破壊され、現在往時の姿をしのべるものは限られています。そんな戦争の爪あとが色濃く残る国内でも唯一といっていいほど、ほとんど戦火の影響を受けずにそのままの姿を残しているのが,かつての首都クラクフです。中でもヴァヴェル城は,クラクフを象徴する代表的な観光スポットとなっています。

<豪華の限りを尽くしたヴァヴェル城>

16世紀ごろに建築されたとされるヴァヴェル城などの周囲の城は、ジグムント1世がイタリアをはじめとするヨーロッパの一流職人たちを集めて造らせた、当時としては最先端のルネサンス様式で統一されています。そのため全体的にいかにも中世ヨーロッパ、という雰囲気が出ており城を外側からながめるだけでも十分に楽しむことができます。

城内は宝物庫や大聖堂、かつての王の居室などが公開されており、歴代の王が戴冠式で使用した剣やルーベンスなどルネサンス画家による絵画、当時の職人に作らせたとされるオリジナル家具などが展示されています。本当に城内は豪華な造りで、当時の繁栄の跡を見て取ることができます。宝物庫や大聖堂などへと続いている中庭もとても広く、そのスケールの大きさに圧倒されてしまうでしょう。

実は,ヴァヴェル城は,非常に撮影禁止エリアが多い観光スポットでもあります。実際に足を運んでみればわかると思うのですがここぞ、という場所はほとんど撮影が禁止されています。宝物庫の中や大聖堂はもちろん、中庭や城の周囲以外はほとんど禁止ですので、本当のすばらしさは自分の足を運ばなければ見ることができません。外観などはよくネットでも写真が掲載されていますが、城内はさらに素晴らしいともっぱらの噂のようなので,ポーランドに行くなら外せないスポットといえますね。

また、地下にはかつて竜が住んでいたという洞窟があることから庭には竜を模した青銅像もあります。竜らしく一瞬だけですが火をふく演出も施されていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。

<実は面倒?ヴァヴェル城の変わった観光システム>

有名な観光スポットながら、非常に複雑な観覧システムがとられているヴァヴェル城。普通ならば入り口で入場料を支払えば、中を見て回るのは見学者の自由ですよね。しかしヴァヴェル城の場合は,宝物庫や王の居室など施設ごとに入場者数を制限しているため、入り口でもらうカードに記載された時間内しか見学することができません。

展示物の盗難など万が一のことがないよう、各施設に一度に入る見学者の数を制限して監視がしやすいようにしているのだそうです。確かに歴史的にも文化的にも価値の高いものが多く展示されていますので、防犯には細心の注意を払っているのでしょう。それにせっかく見学に来たのに,人でごった返してゆっくり見られなかった,ではもったいない気もしますので、そういったことに配慮する意味もあるようですよ。

ちなみにそれぞれの施設に入場するためには,入場料のほかに200円、300円と数百円ずつ見学料を支払う仕組みになっています。さらにリュックなど、大きなカバンの持ち込みが禁止されている施設も多く、クロークに預けた上で金属チェックまで受けなければならないこともあり、意外と見学以外に時間をとられることが多いようです。そのため、時間には余裕を持って入場するようにしてください。

ヴァヴェル城は毎日見学できますが、その日の入場者数に上限を設けています。ですので日曜日やオンシーズンの夏の間は、早々に上限に達してしまい城に入ることすらできないこともあるので,早めに行くようにするのがおすすめ。周囲にはヴィエリチカ岩塩坑やユダヤ人墓地など観光するスポットも多いので、朝一番にヴァヴェル城に行っても時間を持て余すことはないでしょう。

ポーランドでは,数少ない中世の時代の姿を今に残す貴重な遺跡ですので、一生に一度は訪れたい場所といえるでしょう。足を運ぶ際は細々とした制限があるため、事前にしっかりと確認してから行くことをおすすめします。

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