有名すぎるワット・マハタートの仏頭

アユタヤ遺跡の見学ツアーで,必ずといっていいほど組み込まれるワット・マハタートの仏頭。ですが見所はここだけでなく、ワット・マハタート自体も,ぜひ一緒にしっかりとみて頂きたい場所です。

<ワット・マハタートってそもそもなに?>

ワット・マハタートとは寺院のことで、直訳するとお釈迦様の遺骨や遺灰のことをさします。かつてはタイ国内の各所に同じ名前の寺院があったようで、今でもスコータイという場所に,ワット・マハタートという名前の寺院が残っています。日本でいう、国分寺のような存在だったのでしょうね。

そんなワット・マハタートですが実は謎が多く、誰がいつ建設したのかについては2種類の説があり、今でも結論が出ていません。1369年から70年に王だったラーメスアン王が建設した説と,1370から88年のボロムラーチャー1世王が建設したのではないか、という2説がありますが,1300年代後半であることは間違いないようです。しかし,それ以上のことはまだわかっておらず、研究が進められています。

今では廃墟のような場所となっていますが,建立当時のワット・マハタートは,高さ55メートルの仏塔を中心に,頭部に金箔があしらわれた仏像が数多く並び、東西には礼拝堂や仏堂もある非常に規模の大きな寺院だったそうです。しかし,ビルマ軍の攻撃によって,一部の土台や壁を残すのみとなり、仏像の頭部は金箔目当ての軍によって,全て持ち去られてしまいました。今ではかつての面影はなく、建ち並ぶ仏像はほとんど首がないという異様な光景が広がっています。.

そのため文化的な価値は余りないとされていたのですが、1956年に行われた調査によって地下から数々の装飾品や黄金が発見され、歴史的な価値が見直されました。このとき発見された装飾品などはしっかりと保管されており、チャオ・サン・プラヤー国立博物館に展示されています。

<ワット・マハタートの仏塔の秘密>

そんな廃墟の壁の外にある,ひときわ大きな菩提樹の根のなかにワット・マハタートを一躍有名にした仏頭があります。まるで木の根に守られるかのようにつつまれた,仏頭が醸し出す雰囲気は、独特なものがあるそうです。

仏頭が木の根にうもれるきっかけは、やはり軍の攻撃でした。仏像の頭を持ち帰る際に,持ちきれなかったのか、たまたまこぼれ落ちたのかは謎ですが,ひとつだけが木の根元に放置されました。それが長い年月をかけて少しずつ根に取り込まれ、いつしか木を切らなければ取り出せないほど深く一体化してしまったのだそうです。

とても有名な光景ではありますが,周囲の寺院の破壊のあとや頭部のない仏像を見たあとで見ると、また違った感動をおぼえることができます。なんともいえない表情をした仏像も相まって,神聖な不思議な空間となっていて、思わず姿勢を正したくなるような雰囲気です。

ちなみにこの仏頭と写真と一緒に撮ることは可能ですが,必ず座り、頭が仏頭より低い位置にくるように撮らなければいけません。お釈迦様に対してとても思い入れが深く、神聖なものとして扱っているタイでの礼儀ですので、記念撮影の際は敬意を払うようにしましょう。この辺りも観光客としてのマナーですので、忘れてはいけませんよ。

また、仏頭を見たあとは,ぜひ残った壁の中にある菩提樹の形の穴を探してみてください。かつて僧侶の遺骨が納められていた場所だったそうですが、偶然にも仏頭が取り込まれた木も菩提樹ですので、なんだか不思議な縁を感じられるはずです。

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