当時の姿を今も残すワット・ヤイ・チャイ・モンコン

タイの観光ツアーでも訪れる人の多いワット・ヤイ・チャイ・モンコン。目玉は,やはり高さ72メートルにもなる仏塔です。ほかにも,鮮やかな色の衣をまとった数十体の仏像や寝釈迦像など、非常に見所が多い場所でもあります。

<ビルマ軍に対抗して建てられた仏塔>

ワット・ヤイ・チャイ・モンコンが建設されたのは1357年で、アユタヤ王朝の初代王が修行僧たちの瞑想所として作らせました。しかし,初代王のころには目玉となる仏塔はなく、これが建てられたのはそれから200年近くあとの1592年のことです。

ビルマ軍との戦闘を繰り返していた第19代王ナレスワン(ナレースワン)が象にまたがり、ビルマ軍との戦いに勝利した記念として建設されたのだとか。ちなみにここまで高くなった理由は、少し前にビルマ軍の王様が戦いの勝利の記念に建てたといわれているワット・プーカオトーンに対抗したため。しかし残念ながら80メートルもあるワット・プーカオトーンには一歩及ばず、72メートルとなりました。これは当時の測量技術では,細かい高さまで計ることができなかったためだったそうです。

そんな少しユーモラスな伝説の残る仏塔ですが、この中にはお釈迦様の遺骨である仏舎利が納められているといわれ、途中までなら観光客も登ることができるようになっています。しかし,手すりもなく階段も非常に急な造りとなっていて、ときどきレンガが崩れ落ちてくるほど老朽化が進んでいます。登る際は,細心の注意を払うようにしてくださいね。

ちなみに仏塔を建築するきっかけとなった19代王のナレスワンは,闘鶏をこよなく愛したとされ、タイではニワトリ大王とも呼ばれて親しまれています。それを象徴するようにワット・ヤイ・チャイ・モンコンに続く歩道には,大小さまざまなニワトリのオブジェが。とても強く、伝説の戦闘王ともいわれたそうで、今でも人気のある歴史上の人物のひとりなんだそうですよ。

<境内も見所満載>

ワット・ヤイ・チャイ・モンコンは,仏塔だけでなく境内も見所が多い場所です。そしてなんと遺跡でありながら,今でも現役の寺院として使われている場所もあります。大きめのお釈迦様の手前に,金箔だらけの仏像がある一角なのですが、今でも地元の人を中心に信者が跡を絶ちません。地元の人々が行う参拝は,とりあえずといった形式的な参拝ではなく、本当に心から信仰している参拝の様子はまさに圧倒的。思わず一緒に手を合わせてしまいたくなるような,神聖な雰囲気がありますので、ぜひ機会があれば一度参拝してみてください。

さらに,ワット・ヤイ・チャイ・モンコンのもうひとつの目玉というべきなのが,大きな寝釈迦像。この寝釈迦像をはじめ周囲の仏像には,鮮やかな色の布がかけられているのですが、この色は国王の交代によって変わることもあるんだそうです。もともとタイには曜日ごとに色が決められていて、2015年現在の国王であるラーマ9世は,月曜日生まれなので黄色となり、寝釈迦像や周囲の仏像の衣も黄色なんだとか。ちなみに火曜日の色はピンクだそうで、国王が変われば,いつかピンクの布がかかったお釈迦様を見ることができるかもしれませんね。

戦火をまぬがれ、ほぼ完全な状態を今に残しているワット・ヤイ・チャイ・モンコンは,ほかの遺跡と比べてかなり整備がされています。周囲はまるで別荘地のような高級な雰囲気の作りですし、境内は芝生が敷いてあったりとかなり豪華。いかにもタイらしい雰囲気もありますので、タイに来たという実感を得るにはピッタリ。メジャーすぎる場所なため常に人であふれていますが、歴史にあまり興味がなくても純粋にすごい、と思える場所ですよ。

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