古代ローマはどんな町?カンパーニャ州のヘルクラネウム

古い建造物が多く残っているイタリアは、遺跡の宝庫でもあります。有名なものを一つ挙げるとすれば、ポンペイでしょうか。学校の世界史で出てくるほど有名であり、ユネスコの世界遺産にも登録されています。

ですが、イタリアにはもう一つ古い時代の遺跡があるそうです。町の名前を「ヘルクラネウム」と言い、カンパーニャ州のエルコラーノに位置しています。あまり名前のきかないこの町は、いったいどのようなところなのでしょうか。

<イタリアなのにギリシア人によって作られた町!?>

ヘルクラネウムはギリシア人によって作られた、ポンペイより少し新しい町です。紀元前6世紀末にできたと言われており、紀元前89年に同盟市戦争が起こるまでは、ギリシアの支配下に置かれていました。

町の規模は小さいながらも、豊かな暮らしを送っていたようです。しかし他の都市と同じように、79年のヴェスヴィオ山噴火により、火山が放出した堆積物によって埋もれてしまいました。そのまま1600年間地中に埋まっていたそうです。

1709年労働者によって発見されて以来、発掘作業が進められていますが、いまだに終わりません。厚い岩で覆われていたため、時間がかかっているのでしょう。しかし、その分厚い岩壁のおかげで遺跡は理想的な状態で残っていました。

<発掘が難航した町!現在表出した部分だけでも圧巻の景観>

ですが1700年半ば頃に、いざ発掘がはじまると問題が発覚します。今まで分厚い岩におおわれていた部分が露出したことで、大気にさらされて遺跡が風化しました。おかげでいくつかの貴重な物が失われたそうです。

時は経ち、1980年代になるとようやく保存を優先するようになり、掘り起こされた遺跡のものは国立ナポリ考古博物館で保管されるようになりました。しかし観光客などにより遺跡に損傷が起きているそうで、いまだ問題は深刻です。

そして現在は、遺跡の一部のみが観光スポットとして有料で入ることができます。ただ、一部と言っても見られる範囲はとても広いので、不満を感じることはないでしょう。むしろ昔のままきれいに残った町に圧倒されるはずです。

<人々の生活水準が高い、豊かな町だった!>

また、近年は下水の発掘作業も進んでおり、長いあいだ保存されていた排泄物の層も見つかっています。出土した糞便は、ヘルクラネウムに住んでいた人々の食生活や健康状態を知る大きな手がかりになるそうです。

他にも公衆浴場があったり、奴隷解放を訴える文書が見つかったりもしており、文明レベルの高さがうかがえます。さらには家の装飾として多数のモザイク画やフレスコ画が残されており、古代絵画の宝庫でもあるそうです。

まさにポンペイと並び、古代ローマを物語るすばらしい遺跡であり、イタリアの歴史を知りたいのなら欠かせない場所と言えるでしょう。いつかイタリアに立ち寄ったのなら、見にいってみてはどうでしょうか。

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