忘れ去られた天空の都市マチュピチュ

アンデス山中、ウルバンバ渓谷の山の頂に「空中都市マチュピチュ」があります。「老いた峰」を意味する名前の都市は、山のふもとからは見ることができません。スペイン人から逃れ隠れるための秘密の街だった、という説もある、謎に包まれた楼閣です。

16世紀にスペイン人に侵略されると、インカの人々はここを放棄しアンデスのさらに奥へとのがれていきます。征服したスペイン人たちにとっては、この地はあまりにも険しく不便なために、利用価値がありませんでした。そうして捨てられ忘れ去られた街が、再び発見されたのは400年後。

<ハイラム・ビンガムの発見>

アメリカン人の歴史学者が、この地を発見したのは1911年。調査の詳細は「失われたインカの都市」というタイトルの書籍で発表され、ベストセラーとなります。この都市が太陽の神をあがめる神官たちの要塞で、処女を生贄にささげる儀式をとりおこなっていたなどと伝えられました。ここがスペイン人に対抗する最後の要塞だったとも、その本の中で推測しています。

最近の研究では、インカ人の最後の抵抗地は熱帯の平地であったことがわかっており、マチュピチュはそれよりもはるか以前に放棄されたものです。神殿の位置関係から、夏至と冬至を観測できることも発見され、神殿の役割は天体観測と暦を読むことだったと推定されています。また、処女を生贄にささげたとされていた台座も太陽観測用の装置だったことがわかっています。 ビンガムの発見は偉大な業績ですが、その発表された内容には大きく誤った推測が含まれていました。

<マチュピチュとはどんなところか>

総面積は13km程度の小さな都市です。その半分が斜面で段々畑が広がります。城壁で囲まれた平らな居住地区には、宮殿と神殿があります。インカの人々は太陽の神をあがめていたことから、太陽観測は非常に重要な意味を持っていました。そのため、ここは神官たちの観測所だったとの説が有力です。また、高地にあるため夏でも涼しく、皇帝の避暑地だったのではないかという説もあります。

巨石を積み上げて造られており、高度な建築技術を持っていたことは間違いありません。ただ、巨大な岩をどこから切り出し、どのようにして2400mの山中に運んだのかは全く解明されていません。

マチュピチュのふもとまでは鉄道が走っており、駅から徒歩で3時間ほど行けば頂上にたどり着けます。健脚が必要ですが、上った苦労が十分に報われる神秘の都市です。

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