インディージョーンズが「最後の聖戦」をした街、ペトラ

「ペトラ」とはギリシャ語で「岩」をさします。現在のヨルダンにあるこの都市は紀元前12世紀ころにはエドム人の街でした。聖書によれは、ヤコブの兄の子孫とされていますが、詳細不明の民族です。ペトラは、数度の奪い合いを経て紀元前106年にローマ帝国の支配下に入ります。その後は衰退し8世紀には廃墟となり、19世紀前半にスイス人の学者・探検家に発見されるまで、西洋人には完全に忘れ去られていました。

<ヨルダンが世界に誇る宝>

この地は岩でできた土地です。2000年前にエヅム人を追放してこの地に居住したナバテア人は、岩壁を切り開いて建物を造りました。都市の入り口には、「シク」と呼ばれる1kmほどの通路があり、両側には高さ80mの岩の壁がそびえたっています。この通路だけでも絶景です。

シクの先には宝物殿「エルカズネ」。1世紀ころに造られた王の墓です。ピンク色の岩壁を高さ43m、幅30mにわたって削りとって造られています。その先には、3000人を収容できるローマ様式の劇場、オベリスク、寺院、犠牲祭壇があり、上層部には「エドデイル修道院」があります。

岩盤地帯なので雨対策が大切で、ダムを造り水道管を通すなど当時としては先進的な工事を行っていました。建物の中には何のためのものかが未だに解明されていないものもあります。ファラオの宝物庫「カズネ・ファルウン」は、映画「インディージョーンズ」の舞台となった建物。ペトラの象徴的な建物ですが、何のためのものなのかは不明です。

巨大な赤い岩の街。全体がピンクやバラ色に輝き、実際に見たものにしかわからない美しさだと言われています。

<交通の要所として栄えた街>

ペトラは岩盤地帯であるため農業には適さず、古代から交易によって栄えた街。北にダマスカス、紅海があり、アジア、中東地域からヨーロッパを結ぶ中継地点です。立地条件の良さにより紀元前1世紀ころから栄えました。

紀元前64年ころにはローマ帝国の支配下におかれ反乱を起こしますが、紀元105年にはローマ帝国の属州となります。しかし8世紀の大地震で多くの建物が破壊され、以降は衰退します。12世紀の十字軍の遠征頃までは知られていましたが、以降は忘れ去られ、1812年にスイスの探検家ルードヴィヒ・ブルクハルトが再発見します。

「時の刻みが止まった都市」と呼ばれるこの遺跡の、バラ色に輝く様をぜひ一度見てみたいものです。

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